囲碁と大地震に対する援助 | 囲碁Blog

囲碁と大地震に対する援助

今回のような未曾有の大地震が起きたときに、日本はいかなる
援助をするべきか、多少強引ではあるが囲碁的に考えてみよう。
切込隊長さんのBlogでは中国へのODAを全て被災国に振り分けるべきとの
主張が書かれている。
http://kiri.jblog.org/archives/001297.html#more

今回の問題は外交という相手がいるゲームで、答えの見えない最適と思える
解を探して着手する方法論、つまり囲碁の考え方(棋理)が使えるはずだ。
使えるに違いない。使えるといいなあ。使えるかもしれない。
使える可能性も無きにしも非ず。使えないとはいえないだろう。いやそうだ!

囲碁は少しでも価値の高い一手を積み重ねて、最終的に半目以上勝てば
良いというゲームで、碁打ちは毎局答えの見えない中で最適解と考えられる着手を唸りながら考えている。
その碁打ちの大原則が「厚みに近寄るな」というものである。
相手の強いところにのこのこ近づいていく打ち方は損である。
だって発展性が無いし、下手したらいじめられて損を重ねる。
中国が薄い時はODAを通じて経済的に影響力を行使することは多少意味があるだろう。
でも、中国が厚くなった今、そっち方面に打っても
(ODAを送っても)「ODA無くても死にはしないので手抜きするよ」とかわされる。

とはいえ打った石は徹底的に活用しないといけない。
そうしないと勝てないからだ。
与えたODAに関しては完全に捨てるのではなく、様々な注文(いちゃもんというかもしれない)をつけて外交カードとして利用するべきだ。
例えば(あげといてなんだが)使い方がなってない、こんなんだからぶつくさぶつくさと毎日のようにメッセージを送ればいい。
捨て石にして形を整えるなり、外側を厚くしてあげれば死んだ石も浮かばれる。
いくらでも理由はつけることができるだろう。
そういう意味で中国の外交のやり方は非常に棋理にかなっている。
特に資源問題や領土問題を持ち出して他で譲歩を引き出すところあたり。
中国の外交官は大部分碁打ちと思われるから当然といえば当然か。

それに比べて大地震で薄くなっている各国の方面に着手することは棋理にかなっている。
表現は適切でないが囲碁的に他の言い方がないので言わせてもらうと。
「今、相手の薄みをついて攻めることで局面の主導権を握る事ができて攻めながら得をすることが期待できる」そういう局面である。
攻めるときは直接援助すると相手の石もすぐ強くなってしまい、それ以上攻めが続かなくなるので、棋理に従えば直接援助をほのめかしつつ、間接的な支援をがんがんやるのが出費が少なく効果的であろうかと思う。
例えば今回沿岸国に警報が出なかったようだが、日本が地震大国の強みを生かして地震発生時の津波警報発令について沿岸国にレクチャーしてまわるなんてことは気象庁と消防庁数人分の人件費だけでできる支援であり、そこで渡したマニュアルは半永久的に当該国で活用される事が期待される。

囲碁のように究極的に効率を求めるゲームの場合は上記のような結論になり、あえて援助できるのに援助しないあたりが非常に冷たく感じるかもしれないが、実際囲碁はそういうゲームである。

外交はそういうシビアなものなのだろうが、実際はお金があるならなるべく援助したいのが人情。実際それだけの大惨事である。

中国のODAを削って予算が作れるなら是非援助すれば良いと思う。
時期的に予算編成に間に合うかわからないので詳しい人教えてください。

日本人もお亡くなりになられ、行方不明者も何人いるかわからない。
ご冥福をお祈りします。

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